6Qが建築ジャーナルに掲載されました。

先のイベント「6Q」が、建築ジャーナル4月号に1ページ紹介されています。 五十嵐太郎さんに書いていただきました。 「6Q」はセカンドシーズンとして(?)、ゲストの先生方12名を次々とインタビューしていきます。 どのような形になるかわからないですが、順…

アニソンっていいね

ツタヤで久しぶりにCDを借りてきた。5枚で1000円だった。 ・リターン・トゥ・フォーエバー(チック・コリアのバンド)の『浪漫の騎士』 ・マハヴィシュヌ・オーケストラ(ジャズ×プログレロックみたいな)の『火の鳥』 ・ずっと聴いてないままだったエゴラッ…

妹島論の梗概up!

SANAAがプリツカーを取りましたね。 今年はベネチアのディレクターだし、サマリテーヌ改修だし、妹島YEARと言っても過言ではなくなってきました。 というわけで僕の妹島論も、なんとか世に出したい。 本なんか書いたことないから時間がかかると思うけど、そ…

浮き魚ってなんでしょう?

大学1年からの友人が新しいブログを始めた。 彼は今年の難波研公開読書会を企画した男で、現代思想を中心にこの1年はたくさん本を読んでいる。 もともと難しい本を読むヤツではないと思っていたが、いつのまにか読書家になっている。 長い付き合いのためか…

『6Q』の感想をいただきました。

ゲストの方々 http://ofda.jp/sakaushi/diary/2010/02/post_1399.html(坂牛卓氏) http://www.cybermetric.org/50/(五十嵐太郎氏、2010/02/25) 見に来て頂いた方々 http://d.hatena.ne.jp/kuro-nicle/20100223/1267016898(kuro-nicle) http://d.hatena.…

(予告)『妹島和世の思想 -家具から建築へ-』

修士論文『妹島和世の思想 -家具から建築へ-』の発表シリーズが大詰めを迎えてきました。 次は妹島さん本人にご意見を頂戴しに行くつもりです。 それが終わったら、梗概pdfをupします。 そして、学内発表(主査:難波和彦教授、副査:隈研吾教授)、6Q(多く…

『6Q』イベント告知!

『6Q 〜6の問いから始まる即興建築トーク〜』 新しい建築のトークイベントを開催します。 第一部は東大・東工大・藝大の三大学院の修士論文・制作を基に、各発表者が一つずつの計「6つの問いかけ」を会場に投げかけます。 続く第二部は全く異なる「6つの問…

さよなら、もの

iTunes StoreがCDをなくしつつあり、次はキンドルが本を不要にしていくか、というような話が僕のTwitterTL上でよく聞かれるよこの頃。 もともと「ジャケ買い」という文化がよくわからなかった。少ないお金を最大限いい音楽に使いたいと思ったときに「ジャケ…

老若雑感

今、はなかなか考えられなかったような未来に来た気がするけど、とはいえ明治生まれの人だって生きている程度の未来です。 長寿命は、なかなか日本の機動力にきびきびとした動きを許しません。もし寿命が40年だったら、国民の大半がブログやツイッターに馴れ…

あけましたおめでとうございました

書きたい。でもここに書いている場合ではない。修論をやっているのである。妹島和世は家具とインテリアの世界から現れ、建築を再構築したのであるよ。という論文になる予定。書き上がったら、どういう形でかはわかりませんが、みなさまのお手元に届けたいと…

思想の靴、便利な靴

いまさらだけど、西洋人が寝室のベッドのところまで靴を履いたままというのは、あらためて考えるとものすごい。靴なんてもともと人間が類人猿みたいなものだった頃にはなかったものなのに。 外国へ行ったときは貧乏旅行なのでユースホステルに泊まることが多…

(第九話)多木浩二で考える

(第五話)で自分の「おばあちゃんの家」の思い出を書いたのはだいぶ前になるが、ほとんど同じ文章に出会ったので引用したい。 多木浩二の『生きられた家』(田畑書店、1976年)より。 子供の頃、かなり広い家に住んでいた私は、使われていないいくつかの部…

少し長いつぶやき

昨晩のTwitter TL(タイムライン)上。 ラピュタのバルスでお祭り騒ぎが起きた(http://monaken.livedoor.biz/archives/51730440.html)と思ったら若い建築家の訃報が流れ、その悲痛な胸の内が伝搬していくが、それもまた別種の議論の介入を受け、またたく間…

構造主義がいまなんとなくわかったよレヴィ

最近、いろいろなものに対して簡単に批判はできないし、すべきではない、という気がしてきた。 前にイラッときて勢いにまかせて東批判を書いたりした(「批評家はだれだ!:『思想地図vol.3』東浩紀・北田暁大編」)けど、それも少し後悔している。 へんな話…

多層現実の建築 —Sekai Cameraと「建築の解体」—

「このような環境は、記号の群が明滅し、ゆれ動いている、とりとめのない場として成立しているといえよう。(…)しかもその記号が、空間のなかで占める位置の順列に決定性がなく、発生の序列も可変的で、不確定である。古典的な意味における可視的秩序は、ま…

頭の中はどこから来たのか?

やっかいなことを始めなければいけない。自分の頭の中にぼんやりとあった、将来自分の建築理論になるだろうと楽観視していたはずの断片たち。「自分の発想は自分独自のものだ」などと思うほどナイーブではないけれど、いちおう自分で選択してきた本を読んで…

3ヶ月ぶり

3ヶ月も留守にしてごめんなさい。なぜ書かなかったかというと、その間何も考えていなかったからです。コンペをたくさんやっていた。コンペをやっているとき、考えることから遠ざかる、というのは本当は変だ。設計と理論に乖離があるからだ。というかたいし…

情報化

密閉された部屋の中の空気と外気とでは、情報の密度が違う。 例えば外気なら、微妙な気温や湿度の差、風、季節の匂い、植物や雨の匂いetc.といった膨大な情報に満ちている。 空調というのは、そういった空気の持つ無限のパラメーターから「温度」という部分…

100年

例えばある建物が100年経ったとして全く変わりない姿をしていたら、その建物は「100年」というお客さんを受け容れなかったことになる。 まして「100年」が残したものが「汚れ」でしかなかったとしたら、「100年」というお客さんとの付き合いは悪かったという…

『思想地図vol.3』「グーグル的建築家像をめざして」by藤村龍至

『思想地図vol.3』、買ってきました。まずは「グーグル的〜」について書きます。 藤村さんの文章は筋が通っていて非常に読みやすく、現状認識はかなり鋭いと思いました。たとえばアトリエ派と組織派の乖離にはとても納得したし、僕も組織設計に入って批判精…

批評家はだれだ!:『思想地図vol.3』東浩紀・北田暁大編

巻頭の討論「アーキテクチャと思考の場所」を読んで、それから「『東京から考える』再考」を読んだ。 原武史が出て来て、あぁやっぱりいいなこの人、と思った。というかやっと読める文章になったよオイ!と思った。 ・批評は何処へ 端的に言って、東、宮台、…

『表徴の帝国』byロラン・バルト

※内容紹介はWikipedia「表徴の帝国」におまかせ。「意味から解放された日本世界の自由さを説いた」というのはどうかと思うけど。 この本はすごい。解説を読んでも「表徴」がなんなのかさっぱりわからないのに、なぜか問題なく読める。 というのは、この本自…

僕は一生おしゃれになれない:『B面がA面にかわるとき』と「奥沢の家」by スキーマ建築計画

藤村龍至のLRAJで初めてスキーマ建築計画(http://www.sschemata.com/)の長坂常という人を知った。 「SAYAMA FLAT」を写真で見てたまげた。こんなふうにリノベーションを「美」にまで昇華させることができるんだな、と。 それ以来気になっていて、本(『B面…

『町山智浩のアメリカ映画特電』町山智浩さん

http://www.enterjam.com/tokuden.html は、おもしろい。おもしろすぎて死ぬ。というか今さら紹介するのもあれだけど。 ○このような語り部になりたい。憧れの人。 ○タイトルをどうしても思い出せない映画がある人は、町山さんに訊こう。

意志について:ドットアーキテクツ展

伊東豊雄の「座・高円寺」を見た帰りに、プリズミックギャラリー(http://www.prismic.co.jp/gallery/index.html)にふらっと寄る。展示は「ドットアーキテクツ展」。 ドットアーキテクツ(http://www.tcct.zaq.ne.jp/dot/index.html)は30代の3人からなる…

日本に「公共」は未だ存在せず

「公共」という概念は、いまだ日本に根付いていない。たとえば「公共建築とはなにか?」と言われたら、日本人はこう答えると思う。「誰のものでもない、みんなのための建物」合ってる。合ってるけど、全然違う。もう少し言い方を変えると「誰かの私利私欲の…

大学を考える僕は建築家なのか?

休憩コーナーの一角をガラスで覆って排気を効かせた部屋が喫煙所だということになったが、それもすぐに使用禁止になってしまった。平成20年から、東大にも禁煙ブームがやってきたのだ。 で、その使われなくなった暗いガラス部屋はずっと放置されたままだった…

(第3回)Archiprix Workshop 2009

新学期が始まっていろいろと忙しいのでとりあえずご報告だけ。 Archiprix(卒業・修士設計世界一大会)で、世界一になりました!! 「Hunter Douglas Award」というもので、8人が受賞しています。 ワークショップのホームページに授賞式の写真があります。h…

(第2回)夏目漱石『草枕』と幸田文『流れる』—その2

で、幸田文である。 僕がこの本を手に取ったのはたまたまで、ある友人のブログタイトルが「流れる」で、そのブログで一度「幸田文」という言葉がでてきた。その時はとくに気にとめたわけではないけれど、本屋でぶらぶらしてたら偶然この文庫本を見つけ、「流…

(第1回)夏目漱石『草枕』と幸田文『流れる』—その1

別に比べたくて並べたわけではなく、最近読んだというだけのことだ。とはいえ比較したくなったから書いている。幸田文(1904-1990)は幸田露伴(1867-1947)の娘で、露伴は夏目漱石(1867-1916)と同じ年に生まれている。 『草枕』(1906)は漱石がイギリス…