目と耳で考える

(第2回)夏目漱石『草枕』と幸田文『流れる』—その2

で、幸田文である。 僕がこの本を手に取ったのはたまたまで、ある友人のブログタイトルが「流れる」で、そのブログで一度「幸田文」という言葉がでてきた。その時はとくに気にとめたわけではないけれど、本屋でぶらぶらしてたら偶然この文庫本を見つけ、「流…

(第1回)夏目漱石『草枕』と幸田文『流れる』—その1

別に比べたくて並べたわけではなく、最近読んだというだけのことだ。とはいえ比較したくなったから書いている。幸田文(1904-1990)は幸田露伴(1867-1947)の娘で、露伴は夏目漱石(1867-1916)と同じ年に生まれている。 『草枕』(1906)は漱石がイギリス…