「はじめまして」は恐ろしい

『あいさつ』そして『理念』を「です・ます」調で書いた。そしてすぐに心配になったのは「なんだかウザい印象を与えないだろうか」ということだ。よくわからないがそう思ってしまったのだ。だいたいなぜ「です・ます」調で書いたのだろうかと思ってよくよく考えてみたら、かなりどうでもいいことがきっかけなのだった。

『あいさつ』の最初の出だしを僕はこう書き始めた。


「はじめまして、服部一晃です。」そして当初は「僕の略歴はプロフィールを見てください。」と書こうとしていた。これが原因だったのである。今思ったのだが、「自己紹介」と「お願い」を我々は「です・ます」調以外で書けないのではないだろうか。

「はじめまして、服部一晃だ。僕の略歴はプロフィールを見てくれ。」はかなりまずい。これでは嫌われる可能性が高い。かといって「はじめまして、服部一晃じゃ。わしの略歴はプロフィールを見給え。」では賢者だ。というか「はじめまして」がそもそも「です・ます」調だ。では「はじめた、服部一晃である。」ならどうかというと意味不明でしかない。つまり、我々は恐ろしいことに「はじめまして」の呪いから逃れられない。うっかり「はじめまして」で書き始めると、最後まで「です・ます」調に縛られてしまうのだ。それでもある人はこう書くだろう。「はじめまして、服部一晃です。私の略歴はプロフィールを見てください。で、今回の件に関してだが、私の持論はこうだ。‥‥」あり得なくはないが、なんかいやだ。最初の丁寧さはなんだったんだと人に思わせはしないか。


このように非常にくだらないきっかけで、僕は「です・ます」調で書くことになったのだった。このようなくだらなさは巷に溢れていることだろう。そしてそれらを拾い上げて笑うことは、案外大事だったりする。そういう目で建築を見ようと思う。なんだそのまとめは。


というわけで、またもやウォームアップでした。次からはもう少し自分の言葉で書く工夫をします。