理念

「来た人にとって「お得」なサイトにしたい」

突き詰めて言えばそういうことです。
僕自身も好きでいつもチェックしているブログがいくつかあるけれど、「あぁこんな考え方を知ることができて得したなぁ」「知識が増えてラッキー」「この人の語り口は「ほっこり感」があって和む〜」「この人の「人を小馬鹿にする手つき」は品があって見事だな、真似しよう」などなどいつも得をしているのです。

希少価値のあるものが無料で陳列されている、というのが「お得」です。でもなかなか正攻法で、学生が希少価値のあるものを生み出すのは困難です。それでも隙はたくさんあります。たとえばg86という建築学生グループはインタビューを使って「オトナを喋らせちゃう」ということをやっています。僕はうまいなぁと感心します。さらには「海外の超有名建築学校へ通っている学生の活動報告」が彩りを添えているし。

じゃあ僕はどうやって希少価値を生み出そうかと考えます。そこで、


「勉強し難しいことも考えるが、その後それをみんなで笑う」


ということを建築でやっていこうと思い至りました。「どこが希少なの?」と思われるかも知れませんが、実は希少です。建築家の本は「勉強し難しいことも考え、私はこういう手法を編み出した。どや!」という自己主張的なものが多く、けっと思ってしまうことが多くて読むのがつらいのです。あるいは「内容も充実しているし新しい知見も得られるが、結局なんだかこの人好きじゃない」という読後感を与えるものもかなりある気がします。単純に「難しくて意味わからん」もあります。正直に言って、僕は建築本を読むのが嫌いなのです。だから、僕は少なくとも自分が読みたい建築本を書きたいと思っています。それも、一番乗りで書きたい。他の人に書かれたらちょっと悔しいだろうなぁと思ってもいます。「それはあなたの感覚で、私はそうは思わない」と言われそうですが、まぁかまいません。たぶん僕が不満だということは、他にもたくさん同じような不満を持った人がいるはずです。
ちなみに「笑う」といったときに気をつけなければならないのは、「嫌いなもの」をわざわざ俎上に引っ張り出してきて笑うのは下品だということです。怒ったほうがましです。だから「好きなもの」や「いいところ」を語るようにしなければなりません。言葉尻で小馬鹿にしていても、それが「好きなもの」に対してだったら、文章に下品は漂いはじめません。


さぁとにかくこれはとんでもない大風呂敷を広げてしまった。こんなビッグマウスかましておいて本当に僕は何か書けるのでしょうか。

でもまぁ、会社のホームページにならって「理念」という項目で書いたわけですが、これにあまり縛られずに書いていきたいです。憲法と同じようにこれはある種の理想であり目標です。憲法と現状が違うから憲法を変えるだとか現状を間違いだとか言うのが愚かなように、せっかく書いた文章が多少ダメだろうと「なんかアリ」なら載せちゃいます。そんな「ゆるさ」で「建築」なんていう字面からしてカタい分野を扱うことが、すでにして「希少」なんじゃないかという言い訳も言っておいちゃいます。