マインクラフトと土着建築

D
(この動画、暇な時に自分で作ってみました。あほですみません。ブログもいいけど、今後「動画」という手段を使っていきたいので、いろいろ練習も込めてやってみました。Keynoteでスライド作成→QuickTime画面録画→iMovieで編集。ナレーションは「ゆっくろいど」という音声読み上げソフトを使っています)


マインクラフトMinecraft)というゲームをご存知でしょうか。
いま、世界でもっとも建築が建っているのは中国でも中東でもなくマインクラフトです。
450万人の建築家が日々DIYで建築を建てています。


全てがブロックでできた世界はあまりに美しい。
地球の8倍の広さを誇る大自然のなかでたった一人、洞窟に心地よいベッドを置いて、竈に火をおこし、昼に取ってきた牛肉を焼きながら、ゾンビたちが去る日の出までじっと待つ。夜が明けたら斧や鍬を持って、木材を切り出し、畑を耕し、羊毛を刈り取り、珍しいキノコを手に入れて持ち帰る。
装備を整えたらいざ深い深い地下世界へ、真っ暗闇のなか、松明の灯りを点々と灯しながら進む。
巨大地下洞窟はゾンビの呻き声や骸骨の這いまわる音に満ちていて恐ろしい。それでも、進まなければ鉄や金、ダイヤモンドといった稀少鉱石を持ち帰ることはできない。身ひとつで生き延びて、自分の住処を自分で築きあげるためには苦労を惜しむひまはないのだ。
そうして出来上がった自分のためだけの美しい家から、海に落ちていく夕日を眺めるのは格別の気持ちがする。


楽しみ方は人それぞれ。目的は皆無。クリアという概念のないゲーム。
ひとりに飽きたら、建物をみんなで作るともっと楽しい。


働くこと、(ヴァーチャルな)汗を流すことに喜びを感じる職人たち。
建築って、建築家にだけ特別なものでなくて、ほんとうは人は誰でも建てたいんだということ、それがわかっただけでもとても感動しました。深く感動しました。
おそらくマインクラフト内では、ハイデガーの言っている「建てることと住むこと」が奇跡的にも一致しています。
それを450万人が体現しているんだから、ヴァーチャルといえども、とてもすごいことです。


ま、こういう完成された動画よりプレイ動画を見たほうが面白いので、気になった人は「パンツとサルの漂流Minecraft」シリーズを見てみてください。マジで面白いのでオススメです!→http://www.nicovideo.jp/watch/sm15241648


ちなみにこのマインクラフト内で作られる建築で多いのは「トレース」系です。現実や空想にある建物を真似る、上に挙げたラピュタみたいなもの。
でも建築をやってる身からすると、一番面白いのは「慣れないサバイバル生活でどうにかこうにか即席でこしらえた家」たちです。
大自然の心細さや敵への恐怖心を和らげる「家」。手持ちのありあわせや、自然の地形を生かしてつくる「家」。そこには、現実世界の土着建築に似た世界が広がっています。それが冒頭の動画です。


*****************************


関連記事:「創作ツールとしてのゲーム 〜Minecraftから〜」―NETOKARU
http://netokaru.com/?p=2734


ちなみにマインクラフトは音楽がもうっ!最高ですっ!!

Minecraft - Volume Alpha

Minecraft - Volume Alpha

C418さんは天才。http://c418.bandcamp.com/album/minecraft-volume-alpha


とにかく、マインクラフト、恐るべし。(というか建築界隈の人は一度はやるべし!!)